輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
線上閱讀蘭 郁二郎《秘境の日輪旗(ひきょうのにちりんき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,829 字 · 169 頁
例の小箱は、長崎ではやくも武士の手から奪いとられ、めぐりめぐって骨董屋の手に渡ったものであろう。――中の文書のうしなわれてなかったのがせめてもの幸いだった。
旦斎は、江戸の牢番や、長崎の奉行所で、以上のことをくわしく調べた。
武士の名は、亘理総右衛門常年といった。それとても本当の名か、かりの名かはわからない。まして、渤泥(ボルネオ)に渡った一行の首領の名などわかろうはずがなかった。しかし、旦斎は、そこで、一つの断定をくだした。
渤泥(ボルネオ)へ渡った一行は、秀吉の生前に、ひそかにその命をうけ、南方諸国の探険に向ったものに相違ない。特別な人――それは秀吉であったのだ!
豊臣家の文書にも、日本の歴史にも、そのことについての記録はないが、もしも旦斎の断定が当っているとすれば、日本歴史の上での大発見である。
「それで、旦斎先生は、実際ボルネオへ行ったんですか?」
英夫がきいた。
「いや……行っていない、というのはだね、旦斎先生は、晩年、家の者からも、世間からもすっかり気ちがいあつかいにされてしまったのだ、へんなものをひねくりまわしたり、暇があればどこへともなく、ふらりと家をとび出して行く、旦斎先生からみれば、すこしでも多く資料をあつめようとしているのだが、他人からみれば気ちがい沙汰としか思われない、お気の毒に、