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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
線上閱讀新渡戸 稲造《自警録(じけいろく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 168,224 字 · 328 頁
自分は行儀を知らず、作法が分からぬと、自分の弱点を知ったとても、人の前に出て、決して臆することはない。またそんなことを気にして、かれこれいうような人なれば、友として交際する価値なきものと思う。
後藤男爵が少年のころ、何かの折りに、岩倉公の前に召され、菓子を饗された。地方からポット出の男は怯めず臆せず、その席上でムシャムシャと菓子を食った。しかし決して岩倉公に無礼を加うる考えなく、ただ食えといわれたから食ったまでで、いわば至当のことをなしたに過ぎぬ。しかるに後になって、かかる饗応の前で妄りに食うものでないと言い聞かされ、男は定めし岩倉公の御不興を受けたであろうと思いしが、翌日にいたり公より昨日来た青年は菓子が嗜だと見えるというて、かえって一箱の菓子を送られたという。しかし僕は繰り返していう。かくのごときことを聞き、豪傑才子を気取って、わざと礼儀作法を破るものがあれば、これすなわち自己と他人を欺くものであるが、この欺く心がなければ、たとえ自己の弱点を見られたところで、たいした恥にならぬ。したがって一向怖るべきこともない。
「心に忌しい点あるか」と反問せよ