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はんにゃしんぎょうこうぎ

般若心経講義

高神 覚昇

線上閱讀高神 覚昇《般若心経講義(はんにゃしんぎょうこうぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,121 字 · 213 頁

青空文庫

しかし、そういったからといって、私どもは、一切は心からだといって、精神だけで、人間も社会も、動いているものと、いうのではありません。唯物史観が偏見であったごとく、何もかも心だ、といって物質生活、経済生活を否定することも、また同じ意味において、偏見といわざるを得ないのです。精神だけでもって、思想だけでもって、社会が動いていると考えている人は、おそらくないと存じます。「わが抱く思想はすべて金なきに因するごとし秋の風吹く」と、薄命詩人石川啄木は詠んでいます。経済のみによってとは、あえて申しませぬが、パンによって、経済によって、現実の社会が動いていることもまた見逃しえない事実です。「共同社会」の一面には、儼然として「利益社会」の存在することも、ハッキリ知っておかねばなりませぬ。だから、唯物論的な見方も、偏見であるように、観念論的な見方も、正しい見方、正見とはいえないのです。意識が存在を決定するように、また存在も意識を規定するのです。私は十数年前から、仏教史観ということを提唱してきました。この言葉は私がはじめて造ったといっていいのですが、これは、物と心とを一つのものに対する、二つの見方として、眺めてゆこうという、つまり、全体的立場、もちつもたれつという因縁の立場、縁起の意味においてこの二つのものを、一つのものの内容