輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁
アメリカまで飛んでも大丈夫帰って来るぞ、と、父は笑っていた。それはまったくヤクザの親分などではなく、一箇の子煩悩の好々爺であった。
細川忠雄氏もこういう父に共感したのかも知れない。いっそ、「玉井金五郎伝」という題にして、父の生涯を書いてはどうかというのであった。
私もありがたいことに思い、同時に、日ごろの念願が達せられるのをよろこんで、それに決めたが、題はあまりに面映ゆいので、「花と龍」とした。父の左腕にあった彫青の図柄から思いつき、父と母とを龍と花とに象徴したのである。
私は九州男児といわれているが、九州人としての血はない。この小説に書いたとおり、父は四国、母は広島、その混血児である。しかし、北九州の若松で生まれ、そこで育ち、現在もそこに住んでいて、九州的性格が身についたようである。若松は石炭積出港として日本一であるが、大宅壮一氏が『日本の裏街道を行く』の中で書いたように、「暴力地帯として日本のナンバー・ワンとはいえぬまでも、ビッグ・スリーの中には入る」といわれた時代がたしかにあった。そういう荒くれた世界の中で、喧嘩ぎらいの父は玉井組統領として生き、私は文学や絵を愛するロマンチックな少年となって生長したのである。