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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

線上閱讀小山 清《落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 頁

青空文庫

一行は堤に出るとすぐまた反対側の坂を下りて行った。のぶちゃんは女の子らしくいつまでも見送っていたが、私が促すと小走りに走ってきて、無心に笑いながら私の掌の中に自分の掌をあずけた。なんの奇もない遠足であったが、私たちの幼心は満たされていた。

白鬚橋を渡った処に縄暖簾を下げた居酒屋があって、既に灯の点いた店の中には卓を囲んだ五六人の人影が見えた。物を煮る湯気と酒の匂いが往来にまで流れてくる。私たちはふいに里心にとりつかれたように足を早めた。

私たちが大門を入ったときには、もうまったく夜の帳が下りていた。私は仲の町の灯を見てほっとすると共に、ようやく家に近づくにつれて家の人の思惑が気になった。

「家へ帰ってから叱られないかい?」

「大丈夫よ。」

のぶちゃんの家の前に来た。のぶちゃんは私をかえりみて首をすくめて笑って見せてから、格子戸に手をかけた。のぶちゃんの後姿にはその臆した心がまる見えだ。私は背後に格子のあく音を耳にすると、長屋の前の敷石道を逸散に駈けだした。

家に帰ると茶の間にみんな集まっていて、口々にどこへ行った? とたずねられた。

「昼御飯を食べないでどこへ行ってたのさ。