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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

線上閱讀小山 清《落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 頁

青空文庫

のぶちゃんも一緒だったのかい?」と母が云った。小ふじさんが家にきて、のぶちゃんと私を見かけたことを話して行ったのである。

「それで、水神の家へは寄ったのかい?」

「ううん。」

「寄ればよかったのに。お前、またなぜ黙って行くのさ。おかしな子だよ。お糸さんに御心配かけたよ。すみませんでしたってお詫びをしなさい。」

私は訴えるようにお糸さんを見た。お糸さんはなにもかも承知しているように頷いて、

「いいえ、いいの。もういいのね。あたしもお伴したかったわ。こんど清ちゃんに向島を案内していただくわ。お弁当をつくって行きましょうね。」

「お祖父さんがかまうものだから、とぼけた人間が出来そうだよ。」と祖母が云ったら、祖父は、

「馬鹿野郎。清はおれの孫だ。どんな人間になってもいい。おれの気に入らねえことだけはするな。」と云った。

なかやがきて「お直さんが見えました。」と云った。お直さんというのはのぶちゃんのお母さんである。立っていった母の後について行くと、裏口の格子戸の中にお直さんとのぶちゃんが立っていた。お直さんが詫びを云えば、私の母も詫びた。母はのぶちゃんに前垂の小切をあげた。