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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 頁

青空文庫

ではないのであるから。

彼は彼らの代弁者なのであった。

団体としての獣人国――階級としての獣人どもの、その思想と感情との、単純な代弁者に過ぎないのであった。

行列はズンズン進んで行った。

彼らはひどく陽気であった。

悪口雑言を連発した。それが恐ろしく個性的であった。

しかし彼ら全体としては、素晴らしく一致団結していた。

その証拠は数々ある。

と、一人が歌い出した。彼らの唯一の階級歌であって、普通に云うと国歌であった。

俄然合唱がおっ始まった。誰も彼も愉快そうに、一生懸命に歌い出した。

生産だ!

行列は恐ろしく長くなり、無数に松火が点されて、その光が家々を照らした。

何というみすぼらしい小屋だろう。

それは丸太で組まれて、それは荒壁で囲まれていた。おしめや襤褸が掛けられて家の中には病人がいた。栄養不良から来た病人であった。

松火の火は耕地を照らした。

目茶目茶に痩せた耕地であって、その上を雪が蔽うていた。

行列は益※(二の字点、1-2-22)長くなり、犬や鶏や牛が吠えた。

痩せた犬であり痩せた鶏であり、そうして痩せた牛であった。

いやいや敢て家畜ばかりが、痩せているのではないのであった。