輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

とうじゅうろうのこい

藤十郎の恋・恩讐の彼方に

菊池 寛

線上閱讀菊池 寛《藤十郎の恋・恩讐の彼方に(とうじゅうろうのこい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 37,146 字 · 74 頁

青空文庫

「何を云ってやがるんだい、親分の為に命を投げ出している者は、手前一人じゃねえぞ、巫山戯た事をぬかすねえ」

そう云われると、忍松は一言もなかった。半白の頭を、テレ隠しに掻いていた。

そうしているうちに、半時ばかり経った。日光山らしい方角に出た朝日が、もう余程さし登っていた。忠次は、黙々として、みんなの云う事を聴いていた。二三人連れて行くとしたら、彼は籤引では連れて行きたくなかった。やっぱり、信頼の出来る乾児を自ら選びたかった。彼は不図一策を思い付いた。それは、彼が自ら選ぶ事なくして、最も優秀な乾児を選み得る方法だった。

「お前達の様に、そうザワザワ騒いでいちゃ、何時が来たって、果てしがありゃしねえ。俺一人を手離すのが不安心だと云うのなら、お前達の間で入れ札をしてみちゃ、どうだい。札数の多い者から、三人だけ連れて行こうじゃねえか。こりゃ一番、怨みっこがなくって、いいだろうぜ」

忠次の言葉が終るか終らないかに、

「そいつぁ思い付きだ」乾児のうちで一番人望のある喜蔵が賛成した。

「そいつぁ趣向だ」大間々の浅太郎も直ぐ賛成した。

心の裡で、籤引を望んでいる者も数人あった。