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つうぞくこうぎ れいこんふめつろん

通俗講義 霊魂不滅論

井上 円了

線上閱讀井上 円了《通俗講義 霊魂不滅論(つうぞくこうぎ れいこんふめつろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,415 字 · 148 頁

青空文庫

しかるに、死後の世界は全く別世界にして、現在の世界と大いにその関係を異にするを知らば、亡者よりなんらの音信なきは、あたかも色の世界の実況を、耳管だけそなえたる動物に伝うることができぬと同様にして、決して怪しむに及びませぬ。もっとも、俗物には俗物の相手がありて、その者の申すには、「亡者の通信はたしかにある。その証拠は、なにがしは死後たびたび幽霊となりて人の目に現れ、たれがしはその友人の夢に入りて通信を与えたり」等と称し、あるいは古来伝うるところの種々の感通談、奇怪談を並べ立てて、霊魂不滅論を証明せんとつとむるものがありますが、これは実に驚き入りたる次第ではありませぬか。その連中の話を聞けば、人の死するときには、その亡霊が必ず己の寺へ参詣して、あるいは深夜、人なきに戸を開き鐘をたたき、あるいは他人の臥したる上を圧し、あるいは自ら知己、朋友を訪うなど、途方途轍もなき俗説を述べ、霊魂不滅の証拠なりなどといいふらすには、実に迷惑千万と申さねばなりませぬ。よしや現に幽霊を見たる人ありとするも、そのものは真の幽霊ではない。真の幽霊は目に見えぬ道理である。もし目に見えるものならば、幽霊といわずに顕霊と申すはずである。