輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁
してみると、大脳とても、胃、腸、肺、肝等のごとき他の臓腑と同じく、生存競争に加わり得る程度までにより進んではおらぬわけで、日常普通の生活には間に合うが、決して絶対に完全のものと見なすことはできぬ。全体自然界には、どこを見渡してももはや少しも改良を施すべき余地がないというような絶対の完全ということは決してない。すでにダーウィンも言うたとおり、自然界においては「競争すべき相手と同等か、あるいは少しくそれに優る」ということが「完全」の標準であって、われわれが自然物のある性質を完全なりと評するのはつねにこの標準に照らして言うことである。今日生存しているすべての動物にくらべては人間の大脳が最も発達し、人間の知力が最も進んでいることはむろんであるが、もはや進化の極点に達して、これ以上には働きが進むことのできぬというほどに発達し終わったものでは決してない。
人間の今日の脳髄が絶対に完全なものでないという証拠は、少しく注意して人間の所行を観察すれば、ほとんど無限に見いだすことができる。夢ではずいぶんはなはだしい不合理なことも少しも疑わずに、単に当前のことのごとくに感ずるものであるが、広く世間を見渡せば、昼間立派に目の覚めておるときにも、きわめて不合理なことを平気で信じている人もはなはだ多い。