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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(十三)青い帯(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 114,244 字 · 231 頁
「ヘエ――」
「それから、孫三郎の声に驚いて飛び出したのは誰が先で、誰が後か。身扮から、あわてよう、着物に血のついていた奴はなかったか、後の始末は誰がどんなことをしたか、できるだけ詳しく聴きたい」
「…………」
「孫六が――よその者だ、あの男だ――と言ったのはわけのあることだろう。抜かるな八、思いのほか底が深いぞ」
三
ガラッ八の八五郎がもういちど引返した時は、翁屋はすっかり片付いて、町内の衆や親類方が引っきりなしに出入りしておりました。下手人が挙がってしまえば、あとは葬いの仕度が残されているだけです。
「あ、親分」
八五郎の顔を見ると、手代徳松はちょっとイヤな表情をしましたが、物馴れた商人らしく一瞬の間に取繕って、
「御苦労でございます」
さり気なく挨拶するのでした。二十七八の典型的なお店者で、考えようでは一筋縄ではゆけそうもありません。
「ちょいと聴きたいが」
「ヘエ――」
「若主人の半次郎は、勘当されていたそうだな」
「それは昔のことでございますよ」
「いつから家へ戻ったんだ」
「先の旦那様が亡くなった時、支配人の孫六さんが潮来からお呼寄せになって、御親類方にもちゃんと御挨拶をして家督に直りました。