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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

領主の統治が行亘らず、茨組のような暴徒や、匪賊のような野武士の襲来に備えて、何の警察力もない民は、それが僻地の村落であればあるほど、彼ら自身が武力を持たなければ、安心して業にもついていられなかったであろう。

また、個人間のあいだにも、殺伐な風や、詐謀や、油断も隙もならない道義の頽廃があった時代では、その各※(二の字点、1-2-22)も、何よりは武技を身に備えておくことが、役だつに違いない。

信長か、秀吉だったか、制令を出して農家が武器を蓄蔵することを禁じ、各村落から押収したところ、驚くべき大量な刀槍が発見されたという例など見ても、当時の社会不安が窺えよう。

武者修行者の往来は、そんな時代の村落では、むしろ自分らの防衛者として、歓待して迎えた。山賊の話、人身御供の伝説などは、僻地の村民と武者修行との生活関係にも、一つの示唆をもっている。

宿泊や衣食は、そういう地方でも、彼らは困らなかった。また武技の教えを乞う者は、百姓町人のあいだにもあった。

仮にそういう便宜のない都会地でも、武芸者同士の相互扶助的な方法もあったろうし、また、手蔓から手蔓をもって歩けば、然るべき武家の門でも応分の好意は示したであろう。