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ずいひつ みやもとむさし

随筆 宮本武蔵

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,786 字 · 278 頁

青空文庫

それから、明治以前に版になっているもので、伝記としての参照の価値のない戯作本を省いても、武蔵に関する記事のある書は伝写本を入れると四、五十種ぐらいすぐ数えられる。そのうち最も信の措けるものは、何といっても二天記であろう。

二天記というのは、後につけた書名で、最初は、書写しの反古綴に、筆記者がただ武蔵の武の字を冠して「武公伝」としておいたものだという。この書は、武蔵が晩年の骨を埋めた肥後の細川藩の士豊田又四郎が、武蔵の直話だとか、死後に整理した文書とか、門人の話などを抄篇したものだということになっているが、武蔵の死は正保二年であり、筆記者、豊田又四郎はそれから、百三年後の寛延元年に歿している人だから、おそらく嘘で、しかも又四郎の子彦兵衛、その子左近右衛門、三代の手を経て編纂されたものというから、愈※(二の字点、1-2-22)、武蔵の直話などでないことは明らかで、ただ藩の人々に彼の父祖の話として伝えられたものが、武蔵の死後百年以上たってから、抄録の文書と共に著わされたものに違いなかろう。

それでも、武蔵伝のまとまった物としては、これが最古のものである。