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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁

青空文庫

その発見の手つづきはまずこうであった。由井の家に集まった人々が協議の上で、鏡の由来その他の詮索よりも、まずその井戸がいつの時代に掘られたのか、また由井の先祖がここに移住する前には、何者が住んでいたのかということを詮索する方針を取ったのである。

それもまた容易に判らなかったのであるが、古い記録や故老の口碑をたずねて、南北朝の初め頃まではここに越智七郎左衛門という武士が住んでいたことを初めて発見した。七郎左衛門は源平時代からここに屋敷を構えていて、相当に有力の武士であったらしいのであるが、南北朝時代に菊池のために亡ぼされて、その子孫はどこへか立去ったということが判ったので、さらにその子孫のゆくえを詮議することになったが、何分にも遠い昔のことであるから、それも容易には判らない。いろいろに手を尽して詮索した末に、越智の家の子孫は博多へ流れて行って、今では巴屋という漆屋になっていることを突きとめた。口で言うと、単にこれだけの手つづきであるが、これだけのことを確かめるまでに殆んど一年間を費したのであった。

それから博多の巴屋について、越智の家に関する古い記録を詮議すると、巴屋にも別に記録のようなものは何にも残っていなかった。