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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁

青空文庫

その失敗にかんがみて、その後は確かにその病人を見届けない限りは、うかつに薬をあたえない事にしていた。

T君はその事情を彼に話して、ともかくもその病人に一度逢わせてもらいたいと言うと、老人はすこぶる難儀らしい顔をして、しばらく思い煩っているらしかったが、こっちの言い分にも無理はないので、それでは主人とも一応相談してみようということになって、彼は他の少年と一緒に奥へ引っ返して行った。

僕たちはもちろん医者ではないが、それでもでたらめに薬をやるよりは、一応その本人の様子を見て、親しくその容体をきいた上で、それに相当しそうな薬をあたえた方が安全である。殊にその当時は僕たちもまだ若かったから、その病人が十七の娘であるというので、どんな女か見てやりたいというような一種の興味も伴っていたのであった。

「どんな女だろう。まだ若いんだぜ。」

「一体なんの病気だろう。」

「婦人病だと困るぜ。そんな薬は誰も用意して来なかったからな。」

「悪くすると肺病だぜ。支那では癆とかいうのだそうだ。」

そんな噂をしているうちに、僕はかの「家有妖」の一件を思い出した。

「門の前の井戸で水を汲んでいた男……あの男の話によると、ここの家には化物が出るか、なにかの祟りがあるか、なにしろ怪しい家らしいぜ。