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せいあどうきだん

青蛙堂鬼談

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 121,438 字 · 238 頁

青空文庫

それを聴かされて、わたしもかの捨松という馬飼のむかし話を思い出して、きょうの写真旅行に彼を連れてゆくのも、なんだか一種の因縁があるように感じられましたが、昌吉はまったく利口な人間で、途中でも油断なく我れわれの世話をしてくれました。

午に近い頃に目的地へゆき着きましたが、横田君の話で想像していたのとは余ほど違っていて、なるほど大木もありますが、昼でも薄暗いというような幽暗な場所ではなく、むしろ見晴らしのいい、明るい気分のところでした。

「また伐ったな。」と、横田君はひとりごとのように言いました。近来しきりにこの辺の樹木を伐り出すので、だんだんに周囲が明るくなって、むかしの神秘的な気分が著しく薄れて来たとのことでした。どこでも同じことで、これはやむを得ないでしょう。しかし龍神の社の跡だというところは、人よりも高い雑草にうずめられて、容易に踏み込めそうもありませんでした。

三人は池のほとりの大樹の下に一と休みして、それから昌吉が尽力して午飯の支度にかかりました。横田君はいろいろの準備をして来たとみえて、バスケットの中から湯沸しを取出して、ここで湯を沸かして茶をこしらえるというわけです。