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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選(ひだのかいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,271 字 · 263 頁
尠くも僕は然う信じているよ。」
「我々と同じ人間が何うして※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)なんぞになったのでしょう。」と、冬子の疑惑は解けそうも無かった。
「委しく云えば長いことだが、まあ簡短に説明すると、こんな理屈になるんだ。」
冬子が注いで出す茶を一杯飲んで、忠一は鉄縁の眼鏡を掛け直しながら、今や本論に入ろうとする時、彼の七兵衛が襖から顔を出した。
「あの、駐在所から塚田さんが見えましたが……。」
「むむ、此方へ通して呉れ。」と、市郎が首肯いて見せると、七兵衛は心得て去った。
「塚田巡査、相変らず勤勉だね。」と、忠一は微笑した。
「実際、勤勉だよ。殊に今度の事件に関しては、殆ど寝食を忘れて奔走しているんだ。今日来たのも、何か犯人捜索上に就て僕に聞合せにでも来たんだろう。」
「あの巡査は※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)と格闘したと云うじゃアないか。職務とは云え、流石に偉いよ。」
こんなことを云っている中に、噂の主は帯剣を戞めかしながら入って来た。近所の人であるから、忠一とも予て相識っているのである。双方の挨拶は式の如くに終った。