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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選(ひだのかいだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,271 字 · 263 頁

青空文庫

太ァちゃんとあたしは本当に怖い思いをしたねえ。

重兵衛 (だんだんに釣込まれて。)今夜にかぎって、太吉が無暗にあの人を怖がるのは、なんだか不思議だと思っていたが……。やっぱりあの人には……。何かの影が附いていたのかなあ。

おつや ああ、忌だ、忌だ。(そこらを見まわして。)あたしはまだ気味が悪いわ。

(暫しの沈黙。梟の声。やがて入口の戸をたたく音。おつやはぎょっとしたように、太吉の手をぐいと曳いて、上のかたに身を寄せる。)

重兵衛 (これも少し警戒して。)だれだ……。どなた……。

巡査  僕だ、吉村だ。

重兵衛 ああ、吉村さん……。(直ぐに戸をあける。)

巡査  (内に入る。)今ここへ負傷者を運んで来るから、兎もかくも土間へ入れて置いてくれないか。

重兵衛 怪我人ですか。

巡査  むむ。怪我人と云っても、実はもう死んでいるのだ。

おつや だれが死んだんですの。

巡査  人殺しの犯人だ。東京でカフェーの女給を殺して、方々を逃げまわっていた奴を、そこで見つけて取押えようとすると、僕にむかってピストルを一発……。

おつや まあ。

巡査  幸いに弾は外れたが……。当人ももう覚悟したらしい。