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おりべというとうき

魯山人陶説

北大路 魯山人

線上閱讀北大路 魯山人《魯山人陶説(おりべというとうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 62,241 字 · 127 頁

青空文庫

仁清作肩蓑茶入れ

そして更に物それ自体が私の眼に与える作用を見た。即ち私は仁清の作品を見ると共に、仁清の作品の持つ力というものをしかと見た。そして真実そのものに打たれた。

そこで今度はこれを掌から放して、眼前三尺の処に置き換えて見ると、葉面に濃淡おのずから一様でない丹礬釉(青釉)が蓮の若葉の色に自然に変化して、さながら光線を吸収したり反発したりしつつ、晩涼の清風を扇がんとするが如くであるのも見逃せない。

仁清の作品を廻って、他に感銘の深いものに、釉際の美への狙いがある。窯印の正しさへの願いがある。しかし、これは他日所見を述べたいと思う。

仁清のように、仕事の条理を整備し、理論の具象を納得しつつ、日本の陶磁そのものの全面に亘って、しっかりとその発展を策してくれた人はないと思う。こう言ってみても仁清の説明はなかなか尽きない。いかな表現で仁清を伝えようかと独り苦しむのみである。(昭和八年)

仁清作肩蓑茶入れ

仁清が作るところの陶磁のよさ、その価値とは、一言にしてこれを言うとどんなものになるか、……ということになると、今までの文献はこれを明瞭に表示したことがない。唯、仁清の作は精巧の妙を極めて結構であるとか、いかにもうまいとか、なんと言いようもないほど上品であるとか、めいめいまちまちに漠然とそのうまさを説いているに過ぎない。