輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 頁
法水はキッパリ云い切った。「しかし、つまるところ僕等は、人身擁護の機械なんですからね。護衛という点では、あの魔法博士に指一本差させやしませんよ」
法水がそう云い終ると同時に、クリヴォフ夫人は憤懣の遣り場を露骨に動作に現わして、性急しく二人を促し立ち上った。そして、法水を憎々しげに見下して悲痛な語気を吐き捨てるのだった。
「やむを得ません。どうせ貴方がたは、この虐殺史を統計的な数字としかお考えにならないのですからね。いいえ、結局私達の運命は、アルビ教徒(註一)か、ウェトリヤンカ郡民(註二)のそれに異ならないかもしれません。ですけど、もし対策が出来るものなら……ああ、それが出来るのでしたら、今後は、私達だけですることにいたしますわ」
(註)(一)アルビ教徒――南フランス、アルビに起りし新宗教、摩尼教の影響をうけて、新約聖書のすべてを否定したるによって、法王インノセント三世の主唱による新十字軍のために、一二〇九年より一二二九年まで約四十七万人の死者を生ずるにいたれり。
(二)ウェトリヤンカ郡民――一八七八年露領アストラカンの黒死病猖獗期において、ウェトリヤンカ郡を砲兵を有する包囲線にて封鎖し、空砲発射並びに銃殺にて威嚇せしめ、郡民は逃れ得ず、ほとんど黒死病のために斃れたり。