輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《黒死館殺人事件(こくしかんさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 296,741 字 · 584 頁
曰く、ベルトルト・ヴァルスタイン伯、フルダ公兼大修院長パッヘンハイム……
そこまで来ると、熊城は顔でも殴られたかのようにハッと身を引いた。そして、容易に声が出なかった。検事はしばらく凝然と動かなかったが、やがてほとんど聴取れないほど低い声で、次句を読みはじめた。
「デイトリヒシュタイン公ダンネベルグ、アマルティ公領司令官セレナ、ああ、フライベルヒの法官レヴェズ……」とグッと唾を嚥み込んで、濁った眼を法水に向けた。「とにかく法水君、君が持ち出した、この妖精園の光景を説明してくれ給え。どうも、配役の意味がさっぱり嚥み込めんのだよ――何故リュッツェン役を筋書にして、黒死館の虐殺史が起らねばならなかったのだろうか。それに、あるいは杞憂にすぎんかもしれんがね。僕はここに名を載せられていない旗太郎と、クリヴォフとそのどっちかのうちに、犯人の署名があるのではないかと思うのだよ」
「うん、それがすこぶる悪魔的な冗談なんだ。考えれば考えるほど、慄然となってくる。第一、この大芝居を仕組んだ作者というのは、けっして犯人自身ではないのだ。つまりその筋書が、あの五芒星呪文の本体なんだよ。