Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Read 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 262,120 characters · 516 screens
九
その仲間が自ら称して道楽寺の本山という木賃宿。そこに集まった面々は御免の勧化であり、縄衣裳の乞食芝居であり、阿房陀羅経であり、仮声使いであり、どっこいどっこいであり、猫八であり、砂文字であり、鎌倉節の飴売りであり、一人相撲であり、籠抜けであり、デロレン左衛門であり、丹波の国から生捕りました荒熊であり、唐人飴のホニホロであり、墓場の幽霊であり、淡島の大明神であり、そうしてまた宇治山田の米友であります。
歯力や、鎌倉節や、籠抜けが、修行を済まして本山へ帰った夕方、阿房陀羅経や、仮声使いの面々は山を下って、市中へ布教に出かけようとする黄昏。
「おいおい、芸州広島の大守、四十二万六千石、浅野様のお下屋敷へ、俺らのお伴をして行く者はねえかな」
籠抜けの伊八は、商売道具の長さが六尺、口が一尺余りの籠を、右の小腕にかかえ込んで、誰をあてともなくこう言い出すと、
「芸州広島の大守、四十二万六千石、有難え、そいつは俺らが行こう」
横になって寝ていた丹波の国から生捕りました荒熊が答えると、
「お前じゃあ駄目だ」
籠抜けの伊八は、言下に荒熊を忌避しました。
およそ大道芸人のうちでも、丹波の国から生捕りました荒熊の如き無芸で殺風景なものはない。