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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Read 江戸前の釣り (えどまえのつり) by 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 106,910 characters · 214 screens
笑いごとではない。男は、舟のコベリに膝頭をついて海へやる。それでもなれないと、なかなか出ないものだ。
古川柳に、
猪牙で小便千両も捨てたヤツ
昔の金で千両ぐらい使わないとできない。
男は乗合舟に乗ると、湯飲みぐらいの太さで四十五センチぐらいの竹に、ヒロナワがゆわえてあるのを使う。用をたしてしまうと、海の水でヒモをもってゆすいで、舟の帆柱の立つ穴へ差しておく。
江戸っ子の連れ小便というのか、他人がすると自分も出たくなる。「竹があいたら貸してください」というと、「あいよ、おまえさん、これでまに合うか」と貸してやる。たいがいまに合うだろう。湯飲みぐらいの太さであるから。
女ははじめ、オマルを持って行ったが、ブリキ、トタン、瀬戸引きでも音が高いのでいやがる。西洋婦人の使うシビンが一番よい。
檀の浦から、しものせきの話になってしまったが、ここではコウナゴの生き餌で、メバルにカサゴを持ちきれないほど釣った。
高松を夜の十時半、汽船に乗って、出航するとまもなく、「身投げだ、身投げだ!」と騒いでいる。
二十二、三の女が、海上に浮いて大きな声で「助けてくれ!」と泣いている。