Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Read 猟奇の果 (りょうきのはて) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 134,971 characters · 270 screens
「私は近頃臆病になっているのです。それに老人の変装で、あなたということが、ちっとも分らなかったものですから、又白蝙蝠一味のものが、何か悪企みを始めたのかと誤解したのです。本当に僕が幽霊男なら、こんな所へ来る筈がありません。外にいくらも逃げ場所はある筈です」
云われて見ると、一応は尤もである。明智は二人の品川を間近く眺めながら、その内の一人が白蝙蝠の首魁であることは分り切っているのに、さて、どちらをそれと定めかねて、俄かに手出しをすることが出来ないのだ。
だが、この馬鹿馬鹿しいお芝居は長くは続かなかった。明智はふと一案を思いついて、前から家にいた品川を片隅に引っぱって行き、もう一人の品川に聞えぬ様に、囁き声で、山田の変名で雑誌社に勤めていた頃の細い出来事を、一つ一つ尋ねて見た。品川はテキパキとそれに答える。もう間違いはない。この男こそ品川四郎だ。
だが、そこにほんの一寸した隙があった。二人が問答に気をとられている間に、アームチェーアにおさまっていた幽霊男は、ソッと席を立ち、足音を盗んで、襖の外へ消えて行った。
名探偵誘拐事件
科学雑誌社長品川四郎と寸分違わぬ泥棒があった。