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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Read 猟奇の果 (りょうきのはて) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 134,971 characters · 270 screens
名探偵明智小五郎
好奇的三面記事にはおあつらえ向きである。
ある新聞の編輯者は、「今様片手美人」という見出しをつけた。つまり片腕を切落された美婦人が、東京のどこかに、まだ生きているという、誠に奇怪な空想をほのめかしたものである。彼は恐らく涙香小史飜案する所の探偵小説「片手美人」の愛読者であったに相違ない。
名探偵明智小五郎
右の出来事の翌日、明智小五郎は警視庁に馴染の波越警部(当時彼は捜査課の重要地位についていた)を訪ねて、人を避けた一室に対談していた。
これは偶然の一致である。明智小五郎は何も「美人片手事件」に特別の興味を持っていた訳ではない。当時世を騒がせていたもっと別な事件について、彼自身その捜査の主役を演じていたものだから、自然捜査課を訪れることもあったのだ。殊に波越警部とは「蜘蛛男」以来のなじみ故、お互に遠慮のない話もはずむのである。
そこへ、取次役の巡査が這入って来て、鬼警部の前に、恐る恐る一葉の名刺を差出した。
「××科学雑誌社長、品川四郎、ホオ、妙な人が尋ねて来たな。話でも聞かせろというのかな」
「裏に用件が書いてございます」
巡査が云った。
「大滝にて発見された婦人片腕事件につき是非是非御話し申上げ度。