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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Read 猟奇の果 (りょうきのはて) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 134,971 characters · 270 screens
た。偽宮崎常右衛門は、警視庁の別の一隊が逮捕に向いましたから、今頃はもう引括られている時分です。残る偽品川四郎は、白蝙蝠団の首領ともいうべき人物ですが、こいつを逮捕することと、それから、気掛りなのは、賊の巣窟にとじこめられている、本物の警視総監と宮崎氏と、野村秘書官です。我々は一刻も早く、この三人を救い出さなければなりません」
明智が説明した。
「無論、即刻その手配をしなければならぬ。と同時に、この驚嘆すべき陰謀が、新聞記者に洩れ、世間に拡がるのを、極力防止することが、絶対に必要だ。ところで、賊の巣窟にさし向ける人数は?」
大河原伯爵は極度に緊張した面持で尋ねた。
「賊は六人です。その中半数は全く犯罪の意志がないのですから、正確に云えば、三人です。殆ど抵抗力はありません。賊と同数か、或いは二三人余分の人数があれば結構です」
そこで協議の結果、刑事部捜査課長と、波越警部と、腕利きの刑事六名、明智小五郎の九名が、賊の逮捕に向うこととなった。
三台の自動車が、警視庁を出発し、明智の指図に従って、郊外池袋に疾駆した。
車が止ったのは、読者諸君は記憶されるであろう、嘗て青木愛之助が幽霊男を尾行して、むごたらしい殺人の光景を隙見した、あの奇妙な一軒家である。