Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 157,440 characters · 313 screens
「親分、刄物は見つかりませんね」
「おれもそれを捜して居るんだが――曲者が持って逃げたんだろうよ」
「下手人の当りは付きましたか、親分」
「いやまるで見当もつかないよ」
「あの腕の立った浪人者の主人を一と太刀でやっつけるのは、余っ程の腕前ですね」
ガラッ八もそんな事を一生懸命考えていたのでしょう。その余っ程の腕前を持った男が、このへん――八五郎の縄張り内には居そうもありません。
「真っ向から行けば大変だが、そっと後ろから行って匕首でやったかも知れない」
「自分の首筋に匕首を叩っ込まれるまで、黙って居るでしょうか、あの男は?」
「油断をさしたのだろう、――いや後ろにまわっても何んとも思わせない相手だろう」
「ヘエ」
「ところで、もう一つお前に頼んだことがあった筈だが――」
「お栄がお隣りへ行った後で、半兵衛の達者な姿を見た者はあるかないかということでしょう。姿を見た者はないが、声を聴いた者は二、三人ありますよ。お栄が出かける時門口で、――ではちょっと遊んで参ります――と甲ん高い声でいうと家の中から半兵衛が不機嫌らしい声で――おれ一人にされちゃ不自由で困るから、早く帰るんだぜ――と言って居たそうですよ」