Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

鬼の面 ――銭形平次傑作選3

野村 胡堂

Read 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 28,312 characters · 57 screens

Aozora Bunko

「何んの話だか、さっぱりわからねえよ、どこかの赤い鳥居へ小便でもしやしないか」

「狐にだまされたと思って、神楽坂へ行って見て下さいよ、牡丹屋敷のツイ裏、長崎屋七郎兵衛と言や大した身上だ。そのうえ内儀がきりょうよしで、娘が滅法可愛らしいと来ている、覗いて見たって、損はありませんよ」

「また何んか頼まれて来たのか、宝捜しや夫婦喧嘩の仲裁は御免だよ」

平次は大きく手を振りました、八五郎がまた何んか平次引っ張り出しを頼まれて来た様子です。

「そんな気のきかねえ話じゃありませんよ、長崎で一と身上拵えた長崎屋七郎兵衛の一家が、あんまりボロい儲けをしたので、長崎を引揚げて、江戸へ来てから三年にもなるというのに、元の商売敵からひどい嫌がらせをされて居るんです。このまま放って置いたら、命に拘わるかも知れねえ、銭形の親分を頼みたいところだが、あっしに瀬踏してくれという話で、泊りがてら、神楽坂界隈を念入りに調べて来ましたよ」

「何んだ、そんな話か、――そこで何をしろというんだ」

「ともかくも、長崎屋がいつ夜討を掛けられるかわからねえというわけで」

「まるで富士の裾野だ、相手はどんな人間だ」