Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Read いやな感じ (いやなかんじ) by 高見 順 (たかみじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 292,113 characters · 587 screens
「お前さんも、ひとのことなんかより、自分の身を心配したほうが利口だぜ」
「俺はあいにく、利口じゃねえんで……」
「砂馬の一派がお前さんをねらってる」
「へーえ。そうですかねえ」
「俺がお前さんを抱きこもうと思って、うそをついてるとでも思ってるのか」
「うそとは思いませんがね」
「お前さんを抱きこもうと思ったら、上海へ来たお前さんを、今まで黙って放っとくわけはない。なまなかのことでは抱きこめないお前さんだがね」
「そんな大物でもねえさ」
「砂馬だってお前さんの本心をつかむために、黙ってお前さんを泳がせていた」
そうなのか、そうだったのか。俺がつい、こっくりやると、矢萩はここぞとばかりに、
「おとといの晩は、砂馬のかわりにあいにく俺がいたが、お前さんが殺しに行ったのは砂馬なんだ。それはちゃんと砂馬の耳にはいってる」
「砂馬の大将も、さぞかしキツネにつままれたような気持だったろうな」
「そうでもないさ。丸万を警察に売ったのは砂馬だ。その丸万とお前さんとは大の朋友だ。おまけにお前さんにとって、もっと都合の悪いことは、あの晩、砂馬のかわりにいた俺が、ほれこの通り……」
「健在か」