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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
Read 井上円了・世界旅行記 (おうべいかっこく せいきょうにっき) by 井上 円了 (いのうええんりょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 260,015 characters · 519 screens
また、記念物を販売する野店あり。その価廉ならず。
岬頭赤壁幾千尋、攀到二三更一日未レ沈、踞レ石銜レ杯呼二北極一、一宵養得百年心。
(岬の突端は赤壁のごとく高々とそびえ、これにのぼりて真夜中に至るも太陽は沈まない。石に腰かけて杯をあげ、北極に呼びかけた。この宵は変わらぬ心を養うことができたのであると。)
行尽欧洲最北郷、極洋風物不二尋常一、這般消息成二禅語一、夜半天心懸二太陽一。
(欧州最北端の村に行きつく。北極海の風物は尋常ではない。このようなようすを禅のことばであらわせば、夜中の天の中心に太陽がかかっていると。)
寐さめしてみれば夜中に日影あり、まだ吾夢のさめやはてざる
深夜再び上陸し、石を拾い花を折りて帰船す。終宵、海穏やかにしてむしろのごとく、一点の波痕を見ず。夜半は北天に微雲ありたれども、なお太陽の光影に接するを得たり。その位置前夜より一層高く、地平線上より九尺ほどの高所に懸かるがごとく、わが目に映じきたる。ここに停船すること午前二時に至る。船客、一人の寝に就くものなし。その雄壮かつ奇絶なる光景を望みて余念なく、あるいは歌いあるいはうそぶき、ほとんど徹夜の快遊をなす。