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あおいはらふじんのたいつり
垢石釣游記
佐藤 垢石
Read 垢石釣游記 (あおいはらふじんのたいつり) by 佐藤 垢石 (さとうこうせき) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 46,298 characters · 100 screens
五
そして時に尻尾で水を叩いては渦巻を起し、逃げ迷う小魚を追い廻わすさまはまことに見物である。陽が出ると瀬の中央へさがり、七時頃になると落合から瀞で一活躍をやるが、何尾もの鱸が一時に瀬頭から瀬の真ん中で騒ぎ廻るのはなかなか賑やかなものである。八時になると、申合せたように深みへ入りひっそりとしてしまう。これを観察するには那珂川では、水戸市上市の千代田橋上手の大きな淵から、上流へ続く長い瀬、さらに五、六町上流の国田の渡船場の瀞から上手の瀬であるが、国田の渡船場付近の方が、千代田橋に比べて川が浅いが、底がいいと見えて魚は濃いようである。
利根川の本流では埼玉県本庄在八斗島から下流坂東大将付近の瀞の瀬、新地島村地先、群馬県境町地先、世良田村平塚から尾島町前小屋地先、埼玉県熊谷市から群馬県太田町へ通ずる県道に架した妻沼橋の上下等が目抜きの場所であるが、殊に妻沼橋付近は、羽生の鉄橋付近から上流へ僅かに四、五里離れた処であるから、魚は沢山居る。川底は細い砂であるから、お誂へ向である。
五
水戸付近では那珂川に居る川蝦で釣る。沈床の枠の間に、手長蝦と一緒に遊んで居る、長さ一寸から一寸五分位の川蝦を、二尺ばかりの棒の先へ鶏の白い羽を結びつけたので追い出し、手網へ追い込んで捕るのであるが、二時間もやれば五、六十尾はとれる。