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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Read 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 150,254 characters · 300 screens
岸にしゃがんで、水の中をのぞきますと、さすがの一郎君も、まっ青になって、ふるえあがってしまいました。
池の底に、人間のすがたをした青く光るものが、よこたわっていたのです。そいつが、首をねじむけて、一郎君のほうをにらみました。
ああ、その顔!
まっ赤に光る三センチほどもあるまんまるな目、耳までさけたまっ赤な口、その恐ろしい顔が、水の中から、じろっと、一郎君をにらみつけたのです。
「アッ、夜光怪人だッ!」
一郎君は、おもわずそう叫んで、うちのほうへかけだしました。そして、おとうさんの書斎へはいると、
「たいへんです。夜光怪人が、庭の池の中にいます。」
と、いきせききって知らせました。
夜光怪人と聞くと、おとうさんもびっくりして、それをたしかめるために、ひとりの書生をつれて庭に出ていきました。
そして、懐中電灯を照らしながら、池のまわりを、ぐるっと回ってみましたが、青く光る人間のすがたなんて、どこにもありません。
夜光怪人は、かってに、じぶんのからだの光を消すことはできないでしょうから、池の中にいれば、かならず見えるはずです。
おとうさんと書生とは、なお、そのへんの木立ちの中を、よくしらべましたが、べつにあやしいこともありませんでした。