Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

げんじゅつてんまたろう

幻術天魔太郎

野村 胡堂

Read 幻術天魔太郎 (げんじゅつてんまたろう) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 45,616 characters · 90 screens

Aozora Bunko

名僧天海の教え

「おのれ妖怪ッ」

近侍の武士が五人七人いさましくも八方のまどからとびだし、城のはざまによじのぼって、大蛇のからだをめちゃくちゃに斬りました。

さしもの黄金色のウワバミも、勇士どもの攻撃にズタズタに切られ天守閣の上から石垣へ、武者がこいへ、バラバラバラと散りおちましたが、大地におちたところを見ると、不気味な大蛇と思ったのは、なんのかわりもない麻ナワのきれはしで、それを見きわめると、天守閣の上から五、六人の人の声で、

「ワ、ハッハッハッハッハッハッ……」

と、わらいの大合唱をあびせかけるではありませんか。

それにはじまって、いろいろの怪異が、古河城の奥ふかくに休んでいる家光を、どんな術でひと晩じゅう、なやませつづけたことでしょう。

名僧天海の教え

日光ご社参のさいごの宿は、下野国(今の栃木県)宇都宮で七万八千石、戸田山城守のお城でした。あすはいよいよ日光廟ご参拝というまえの晩、将軍家光の夕の膳部は、ここでもぶじにはおさまらず、ハシをつけようとするとお椀の中から、いきなり火焔がもえだしたり給仕の小姓が顔をあげると、たちまち三ツ目小僧になったりするので、さすがの家光もたまりかねて、奥のひと間に姿をかくしてしまいました。