Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Read 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 151,280 characters · 301 screens

Aozora Bunko

迷路の殺人

二人が立話をしている所へ、ガサガサと人の気配がして、三人の男が近づいて来た。見世物小屋の人達である。さい前の叫び声を聞きつけて、様子を見にやって来たのだ。

博士は三人のものに、事の仔細を語り、怪物逮捕の手伝いをしてくれるように頼んだ。

「小池君、じゃ、君はこの人達と一緒に、出来るだけ探して見てくれたまえ。僕は近くの電話を借りて、中村君に警官隊をよこしてくれるように頼むことにする。

外は明るいのだし、大勢の見物が集っているんだから、犯人が外へ逃げ出すことはなかろう。ナアニ、もう袋の鼠も同然だよ」

博士は云い捨てて、惶しく迷路の彼方へ遠ざかって行った。

迷路の殺人

それから間もなくの出来事である。

薄暗い竹藪の、とある細道を、黒い影法師のようなものが、フラフラと歩いていた。

よく見ると、そいつは、ぴったりと身についた真黒のシャツを着、真黒のズボン下を穿き、黒い靴下、黒い手袋、頭も顔もすっぽりと黒布で包んだ、全身黒一色の怪物であった。

ただ、黒布の目の部分だけが、細くくり抜いてあって、その奥から、鋭い両眼が要心深くあたりを見廻している。無論何者とも判断がつかぬけれど、若しこれが妙子さんを誘拐した犯人の一人とすれば、あの背の高い方の、ガーゼの眼帯を当てていた男に違いない。