Japanese reading practice

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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Read 春泥・三の酉 (しゅんでい) by 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 86,075 characters · 173 screens

Aozora Bunko

七

――その代り身上の贅沢はいわない、どのみち何とか色は附けてくれるんだろうから。――さきの出ようが出ようだから。こっちも構わねえ、高飛車に出てやったとそういっていた。」

「酷い奴だ。――だが、それじゃァ君んとこへ来た話とは違うじゃァないか?」

「人を見て矢っ張法を説くのよ。――で、三浦、いずれもう一度あうことにしてそこを出ると、すぐその足でお前のところへ行った。――と、まだ帰っていねえ。――それならとことのついでに浜町まで伸して若宮のところへ行った。……というのが菱川の話じゃァもう一つ腑に落ちないものがある。一度これはじかに当人にぶつかるこった。――そう思ったのは矢っ張あの男だ。――さすがにすかさねえ。」

「で、行くと?」

「書生が一人留守居をしていて、先生は東京にいらっしゃいません。」

七

田代にはしかし信じられなかった。留守をつかうんだ、それは。……そうとしか思えなかった。――が、そうはいっても、また、相手が相手である。やみ/\そう留守をつかわれて、左様ですかとそのまゝ音無しく引下る三浦ではない。ことによると、これは、手筈のすべてとゝのうまで、わざとどこかに身をかくしているのかも知れない。