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えどまえのつり

江戸前の釣り

三遊亭 金馬

Read 江戸前の釣り (えどまえのつり) by 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 106,910 characters · 214 screens

Aozora Bunko

アユの魚うらやましくぞ見えにけり一年ありて二年なければ

それがために「年魚」というが、九州熊本水前寺のアユは、フルセといって年を越すので、ここのアユが日本一だという。同じ九州でも肥前松浦川のアユは、大昔、神功皇后が釣ったので、ここのアユこそ日本一だと、キビダンゴみたいなことをいっている。

神功が女釣師の初めなり

落語の中に出てくる神功皇后は、十四代仲哀天皇のおたねをお宿しになり、三韓へ渡るときに十月十日の生み月で男装をしたというから、モダンガールの始祖でもある。

何万トンという鋼鉄船があるわけでなく、木造船の手こぎの帆前船であるから、

「われ三韓をまわる間、必ずご誕生はご無用に存じます」

と、腹を三べんなでたら、三年間生まれなかった。その風待ちのつれづれに、肥前松浦川で釣りをした。清流に背光りがする美しい魚をながめていると、急に占いを立ててみたくなった。

「つつがなく彼の地へ渡れるならば、この先へ魚かかるべし」

と、のたまいて、裳のすそのとじ糸に、縫い針を曲げて、食後のめし粒を餌にして……、と書いてある。いかにも大げさでおもしろい。また、

「弓を釣り竿に、弓づるを道糸に、自らの冠の金具を釣り針に……」