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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Read 猟奇の果 (りょうきのはて) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 134,971 characters · 270 screens
初めは何気なく窓外を眺めていた明智も、それが余りに彼の熟知せる道筋と一致しているのに気づいて、「オヤ、これは変だぞ」と思わないではいられなかった。
やがて、先の車は、案の定、その家の前で停車した。その家とは外ならぬ、本当の品川四郎の住居なのだ。
幽霊男は車を降りて、格子戸をあけた。婆やが出迎える。彼は婆やに何か口を利いて、事もなく奥へ消えてしまった。
「ナアンだ。さっきから尾行していたのは、それじゃ本当の品川だったのか」
とがっかりしたが、又思い返すと、どうも腑に落ちぬ所がある。品川なれば何ぜ自動車の籠抜けなぞをしたのか。又、さっき電話口へ出たのは一体何者であったのか。とは云え、若し幽霊男だとすれば、まさか、こんな品川の家なぞへ逃げこむ筈はないのだ。流石の明智も、狐につままれた感じである。
兎も角検べて見ようと、案内を乞うと、応接間へ通された。科学雑誌社員時代に親しみのある応接間だ。畳を敷いた日本座敷に椅子テーブルを並べた、洋風まがいの部屋である。品川四郎はそこの大ソファに腰かけて、客を待受けていた。
「アア、やっぱりあなたでしたね。お分りでしょう。