Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Read 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 193,761 characters · 388 screens
あすこの石の台の上からおりて、ここまで、はって来たのです。」
「フーン、この石がねえ。」
警官はピストルでコマイヌの頭をコツコツやりながら、また笑いだすのでした。
「しかし、昼間は、こいつ、たしかにあの台座の上にいた。それは大ぜいが見て、知っている。ところが、見たまえ、あの石の台座の上はからっぽだ。」
べつの警官が、台座のほうを懐中電灯でてらしながら、ふしぎそうに言いました。
「まさか、きみが、コマイヌをここへ持って来たわけじゃなかろうね。」
「ぼくには、こんな重いもの、とても持てませんよ。」
「そうだろうね。すると、いったい、これはどういうことになるんだ。」
警官たちが、首をかしげているあいだに、小林少年は、ふと、社殿の一方の柱に、異様な傷があることに、気づきました。ひとりの警官の懐中電灯が、ちょうどそこを、てらしていたからです。
「あれは、なんでしょう?」
小林君の声に、みながそのほうを見ました。おそろしい傷あとです。十五センチ四方ほど、柱の皮がめくれ、白い木はだがあらわれて、それがひどいササクレになっています。
「へんな傷だね。大きな動物が、牙でかみついたというような傷だね。