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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Read 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 213,575 characters · 424 screens
白旗も同陣営に拠っていた。新院方もまた同様な、源平混成軍である。――清盛、三十九歳。義朝三十七、八。
〔崇徳上皇〕新院とよばれているお方。鳥羽の第一皇子。近衛天皇の異母兄。御白河天皇の実兄。――御母は藤原璋子。美福門院とは、まま母まま子の御仲。帝位を退かれてから十四年、世栄の外におかれ、この年七月二日、法皇の御臨終にも、側近の阻むところとなって、父皇と、一生のお別れすら遂げられなかった。その悲恨悲憤に、左府頼長などのいだく、不平、野望などが、火に油となり、ついに“新院御謀叛”の征矢のまえに立たれてしまわれた。御年三十七。(二五・一〇・一)
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詩と見るならば、哀切な長詩。絵と見るならば、宗達筆の扇面画に見られるような美術でもあります。けれど「保元の乱」の実態は、決して、名誉な歴史ではありません。そのころの社会悪と人間性の陥りやすい権勢欲やら迷妄やらが、余りに地獄化されたものでした。あの匂い優雅な藤原文化も、あえなき血と炎の革命に瀕しています。
皇室と皇室が戦い、父と子が戦い、叔父と甥が戦い、文字どおり骨肉相食むの惨を演じた悪夢の一戦も、新院方(崇徳上皇)の敗北に帰して、内裏方(御白河天皇)では乱後、戦犯の元凶を、追捕するのに急でした。