Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
Read 随筆 新平家 (ずいひつ しんへいけ) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 213,575 characters · 424 screens
まだ、地下人と卑しめられていた武者所の若人たちで――安芸守平ノ清盛など、その一人でした。
彼の当年の同僚には、武者をすてた西行法師があり、悲恋に、転機して、難行道の沙門となった文覚もいる。
さらに、源氏の地下人にも、六条には、源ノ判官為義があり、その子義朝、為朝などの面だましいや、その余の一族など、そろそろ、未来の鬱蒼をなさんとしているものでしょう。(二五・八・六)
*
「勧学院ノ雀、蒙求ヲ囀ル」という諺がありました。今でいえば「大学の雀マルクスを囀る」といったようなものです。
多くはその勧学院出身で、武者所に勤めていた王朝末期の青年たちのうちに平ノ清盛、遠藤盛遠(後の僧文覚)、歌人西行など、それぞれ個性のある輩が、世を望んでいたものです。
これら“同窓の雀”が、時代のあらしに、翼を分かって、思い思いな二十歳台の巣立ちをしてゆく保延年間(約八百年前)の世態を前奏とし、物語はいま、保元の乱、直前まで、書いてきました。
かえりみるに、平和は、故なく外から侵されるものではない。おおむね、内に理由をもち、自壊に乗ぜられ、強力な野性に取って代られること、古今、歴史の証すところです。