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あゆのくいかた
魯山人の食卓
北大路 魯山人
Read 魯山人の食卓 (あゆのくいかた) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,022 characters · 115 screens
とは申せ「東京のうなぎは蒸して焼くから、だしがらのようなもので決してうまいとはいえない」と、よく関西のうなぎ屋が貶しているが、聞くに耐えぬ我田引水だ。これは味覚の本領を衝いた上での話ではなく、無責任にきいたふうなことをいっているだけのことで、論にならない。進歩を知らないうなぎ屋として、お気の毒なことだとしか思えない。うなぎ屋だからといって、決してうなぎがわかるものではない例といえよう。
東京のうなぎにかかっては、大阪の原始焼きは無条件降伏せねばなるまい。それにもかかわらず、直焼きを誇るがごとき、笑うに耐えたる陋習というべく、一刻も早く改めねばなるまい。のみならず、養殖のうなぎをもって、うなぎの論をぶつのは愚かと申すべきだろう。
寿司にしても、うなぎにしても、その材料の良否いかんのみにたよることが必要であろう。
よい材料を使う寿司は、高いのは当然だ。高価を呼ぶものにはそれぞれ理由がある。その理由をわきまえず、単に金高のみに拘泥して驚くのは野暮である。高い寿司には高いだけの理由があって、むやみに金ばかり取るのは、どこにもないようだ。寿司の相場も実のところ味覚に通じた客人が決めているともいえる。