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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Read 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) by 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 192,693 characters · 377 screens
それがすぐ発覚したので同席のなさけある一人が、その家来を刺殺して、忠知は過ちを悔いて自殺したといい触らした。この事が後世に伝わり、忠知は切腹したという事になってしまった。忠知はこの異変を聞いて、もとは自分の一時の疎懶ゆえと後悔したが、もはや追付かず、表向きに顔を出すことが出来ぬ身になり、その後、金平のお金という女と夫婦になり、そのお金の親の仇を討つというのが大団円になっている。
こんな複雑な筋のものも段々読み得るようになったので、いよいよ草双紙が好きになった。私が八つ九つの頃に見たのは三冊五、六冊ぐらいの読切り物で、京伝種彦あたりの作が多かった。それから或る家で釈迦八相倭文庫を借りて来て読んだが、これが、長い続き物を見た始まりで、こういう物は一層面白い物だと思った。この本で釈迦の事蹟の俤を知り、後日仏教を知るその糸口はこの本で得たともいえる。『白縫譚』『児雷也豪傑譚』なども追々と読んで行った。
私は九歳の時君侯へ初めて御目見えをした。御目見えをしないと、いかに男子があっても、主人の歿した際、家禄が減ぜられる定りであった。それで男子は八歳以上になれば、君侯の御都合を伺って、御目見えをして置くのである。