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めいせつじじょでん

鳴雪自叙伝

内藤 鳴雪

Read 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) by 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 192,693 characters · 377 screens

Aozora Bunko

秋の部

我声の吹き戻さるゝ野分かな

税苛し莨畑の秋の風

三日月や仏恋しき草枕

三日月に女ばかりの端居かな

月の船琵琶抱く人のあらはなり

横雲やいざよふ月の芝の海

古妻の昔を語る月夜かな

空家に下駄で上るや秋の雨

初潮を汲む青楼の釣瓶かな

山の井や我顔うつる秋の水

提灯で見るや夜寒の九品仏

山越や馬も夜寒の胴ぶるひ

堂島や二百十日の辻の人

我が描きし絵に泣く人や秋の暮

行秋の石より硬し十団子

下京や留守の戸叩く秋の暮

七夕を寝てしまひけり小傾城

押し立てゝはや散る笹の色紙哉

呼びつれて星迎へ女や小磯まで

屋根越しに僅かに見ゆる花火かな

小袴の股立とつて相撲かな

小角力の水打つて居る門辺かな

魂棚の前に飯喰ふ子供かな

草分けて犬の墓にも詣でけり

墓拝む後ろに高き芒かな

草市の立つ夜となりて風多し

通夜の窓ことり/\と添水かな

提げて行く燈籠濡れけり傘の下

酔顔の況や廻燈籠かな

踊るべく人集まりぬ月の辻

月ももり雨も漏りしを蚊帳の果

つゞくりの遂に破れて秋の蚊帳

巻きかへて又打ち出だす砧かな

摂待に女具したる法師かな

鳩笛も吹きならひけり湯治人

吹くうちに鳩居ずなりぬ野の曇り

綿取りに金剛山の道問ひぬ

山宿や軒端に注ぐ落し水

豹と呼んで大いなる蚊の残りたる