Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme

Aozora Bunko

一 木曾御岳の種蒔き爺さん

しかしわれらの祖先が遺した、このりっぱな一種の文化財を、むざむざ消滅にまかすのは誠に惜しむべきことだ。そこには祖先の、自然に対する尊崇と親和の心、物の形に関する鋭い感覚、一種の美意識、生活に根ざした知恵、そして永い世代にわたる自然の恩恵と、それに対する感謝の念、そういったものが皆、この幻像には籠められているからである。そこでこれらの記録が大切なことになってくるわけだ。

この雪の幻像は、東北から中部にかけての山地、殊に山形、新潟、長野、山梨などに数多く存在するが、文献に現われたり、名前が知られていながら、本体がハッキリわかっていないもの、あるいは名前さえ広く知られていないものも少なくないらしい。私は明治時代、故辻本満丸氏の「祖父ガ岳の種蒔爺さん」の記録や、故小島烏水氏の「白峯の農鳥」探究などによって、興味を覚えたもので、以下の数例は直接私が、偶然あるいは意識して発掘、実見した記録なのである。

一 木曾御岳の種蒔き爺さん

木曾の御岳に「種蒔き爺さん」が出る、――これは私には、聞くのも見るのも、まったく初めてだったが、帰来それがあながち、私の寡聞のせいばかりでなく、山の識者の間にもまったく知られていないことがわかったので、とりあえず見聞の次第を、次の如く日本山岳会々報(昭和十六年九月)に掲載した。