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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるおとこのだらく

ある男の堕落

伊藤 野枝

Lesen Sie ある男の堕落 (あるおとこのだらく) von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.585 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

四

私は簡単にわけを話してすぐ署の方に出かけるように促しました、そこにOとYが来ました。署長は案外話が分りました。私共は尾行をとりかえて貰って帰ってきました。

四

Yには、この小さなできごとが余程深い感銘を与えたのか、それから少しの間は、絶えずこのことを吹聴して、警察は少しも恐れるに足らないことを主張しました。みんなには、これは苦笑の種でしたが、Yはそれから警察に対して急に強くなりました。そして一つ警察をへこましてゆくたびに彼は持ち前の増長をそこに持ってゆきました。彼の住んでいるあたりの人達は、世間一般の人達よりはいっそう警察を恐れる人達でした。その真ん中で、Yは存分に、同志の力を借りては、集会や演説会のたびに群ってくる警官の群を翻弄して見せて得意になっておりました。みんなは、その稚気を、かなり大まかな心持ちで、笑話の種にしていました。

が、彼は大真面目でした。彼は「警察が何でもない」ということがどれほど我々への注意を引くか、ということを熱心に話しました。彼の話はもっともな点がかなりありました。彼のいう所によりますと、一般の労働者階級が警察というものにいじめられているのは、お話の外だ、というのです。