Japanische Klassiker mit Furigana
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme
その電車を見てびっくりいたしました。入口の所から人がこぼれる程沢山乗っているのです。私の女通訳は、ロシアでは電車の割合に人が多すぎるのであんなに電車が混雑するのだ、と説明いたしましたが、私はそれを見てもロシアの人は気の毒だと同情いたしました。それがどうでしょう、私が昨年(昭和二十年)の秋、まだこんなに病気をしない時でしたが、シューベルトの「冬の旅」をうたうために疎開先の富士山麓山中湖畔から東京へ来て、私の泊っている家から会場の日比谷公会堂へ行くために電車に乗りました。大変な混雑で、私は身動きも出来ない。それが電車の停るたびに乗客は無理矢理に押込んで来るので、私の身体は横になり、足は二尺も向うの方にある。あたり前ならとっくにころんでいるのに、乗客が一杯居るのでころびはしないが死ぬように苦しい。それで私は「そんなに押しては私は死んでしまいます」と大きな声で申しましたら、私の後にいる人が「若い娘の癖に贅沢いうナ」とどなるんです。そしてちっとも構ってくれないので「そんなに押してはあばら骨が折れてしまいます」ともう一度叫んで、私は後の方をふりむきましたら、「なんだ、声を聴いたら十八、九の娘だとばかり思ったのにお婆さんか、可哀想だから無理して詰めてやれ」