Japanische Klassiker mit Furigana
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme
二二 自転車美人のころ
というのはパティのお父さんはシシリイ島生れのテナーでお母さんはローマ生れのプリマドンナでした。一家でオペラカンパニーを作ってヨーロッパ各地を巡演中、マドリッドでパティは生れたんだそうです。そして七歳の時が初舞台で、音楽会で歌劇「セヴィラの理髪師」の中で、コロラチュラ・ソプラノの咽喉のきかせどころの詠唱「仄かなる声」を立派にうたったそうです。
パティは非常に記憶力がよく、どんな歌でも二三遍うたっただけで覚えてしまい、一度覚えた歌は決して忘れなかったそうです。だからパティはどこに行くにも決して楽譜を持って歩かなかったそうです。記憶力がよくて、美人で、発声が完全無欠で、声が美しくて、音楽的で、ありとあらゆる声楽家の条件をひとりで兼ね備えていたので、十九世紀の歌の女王といわれたのでした。だからその人気は大変なもので、アメリカに行った時は、一回の出演料五千ドルという、カルーゾーでもかなわない空前の記録を作り、一代で、咽喉一つで四百万ドルの財産を残したそうです。
二二 自転車美人のころ
明治十七年(一八八四年)二月二十二日は大雪でとても寒かったそうですが、この日に私は、今の帝劇の近所にあった二階建のお家で生れました。