Japanische Klassiker mit Furigana
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かげろうのにっき
かげろうの日記
堀 辰雄
Lesen Sie かげろうの日記 (かげろうのにっき) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.890 Zeichen · 60 Bildschirme
思ったとおり、道綱はもう返事もできない位、私の背後でやっと泣くのを堪えているらしかった。
五日ばかりで身が浄まったので、また私は御堂に上った。ずっと来ていて下すった伯母もその日お帰りになって往かれた。その車がだんだん木の陰になりながら見えなくなって往くのをじっと見送って佇んでいるうちに、逆上でもしたのだろうか、私は急に気もちが悪くなってひどく苦しいので、山籠りしていた禅師などを呼びにやって加持して貰った。夕ぐれになる頃、そんな人達が念誦しながら加持してくれているのを、ああ溜まらないと思って聞き入りながら、年少の折、よもやこんな事が自分の身に起ろうなどとは夢にも思わなかったので、そうなったならどんなだろうなどと半ば恐いもの見たさに丁度このような場合を想像に描いて見たことがあったが、いまその時の想像に描いたすべての事が一つも違わずに身に覚えられて来るようなので、何だか物の怪でも憑いて、それが自分にこんな思いをさせているのではないかとさえ私は思わずにいられない位だった。
それほど、まるで何かに憑かれでもしたかのように、私が苦しみながら山に籠っているのを、京では人々が思い思いにああも言いこうも言っているようだし、のみならず、この頃では自分が尼になったというような噂までし出して居るらしかったけれど、私は何を言われよ