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Japanische Klassiker mit Furigana

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こころ

こころ

夏目 漱石

Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

ともいった。

私は心のうちで、その口は到底私の頭の上に落ちて来ないと思っていた。けれども事情にうとい父はまたあくまでもその反対を信じていた。

「そりゃ僅の間の事だろうから、どうにか都合してやろう。その代り永くはいけないよ。相当の地位を得次第独立しなくっちゃ。元来学校を出た以上、出たあくる日から他の世話になんぞなるものじゃないんだから。今の若いものは、金を使う道だけ心得ていて、金を取る方は全く考えていないようだね」

父はこの外にもまだ色々の小言をいった。その中には、「昔の親は子に食わせてもらったのに、今の親は子に食われるだけだ」などという言葉があった。それらを私はただ黙って聞いていた。

小言が一通り済んだと思った時、私は静かに席を立とうとした。父はいつ行くかと私に尋ねた。私には早いだけが好かった。

「お母さんに日を見てもらいなさい」

「そうしましょう」

その時の私は父の前に存外おとなしかった。私はなるべく父の機嫌に逆らわずに、田舎を出ようとした。父はまた私を引き留めた。

「お前が東京へ行くと宅はまた淋しくなる。何しろ己とお母さんだけなんだからね。そのおれも身体さえ達者なら好いが、この様子じゃいつ急にどんな事がないともいえないよ」