Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
十三
と母が推断してくれた。
私もあるいはそうかも知れないと思った。しかしそれにしては少し変だとも考えた。とにかく兄や妹の夫まで呼び寄せた私が、父の病気を打遣って、東京へ行く訳には行かなかった。私は母と相談して、行かれないという返電を打つ事にした。できるだけ簡略な言葉で父の病気の危篤に陥りつつある旨も付け加えたが、それでも気が済まなかったから、委細手紙として、細かい事情をその日のうちに認めて郵便で出した。頼んだ位地の事とばかり信じ切った母は、「本当に間の悪い時は仕方のないものだね」といって残念そうな顔をした。
十三
私の書いた手紙はかなり長いものであった。母も私も今度こそ先生から何とかいって来るだろうと考えていた。すると手紙を出して二日目にまた電報が私宛で届いた。それには来ないでもよろしいという文句だけしかなかった。私はそれを母に見せた。
「大方手紙で何とかいってきて下さるつもりだろうよ」
母はどこまでも先生が私のために衣食の口を周旋してくれるものとばかり解釈しているらしかった。私もあるいはそうかとも考えたが、先生の平生から推してみると、どうも変に思われた。